先生に会いたい


私と先生は正座をして、お母さんと平本さんに向かい合って座った。

『足をくずしてください』と言うお母さんの言葉に、先生は『失礼します』と言って足をくずした。


「先生、色々と大変だったんですね。今は、桜と付き合っているんですって?」


いきなり本題に入るお母さん。


でも、顔はすごく微笑ましい。


私が先生と付き合ってるって言ったとき、すっごくびっくりしていたけれど、『桜の好きになった人なら、私は何も言わない』って、お母さん言ってたな…。


「はい。縁あって、再び桜さんと再会することができまして、お付き合いさせていただいてます。以前、生徒と教師という立場であったのに、僕が恋愛感情を抱いてしまったせいで、恋愛関係になってしまって申し訳ないです。」


先生、そんなこと思ってくれてたんだね。

感動するよ。


先生のその言葉に、お母さんも笑顔で相槌をうっていた。



「結婚…とかは、考えているのか?」


先生にそう聞いたのは、平本さんだった。


平本さんも緊張している様子が、見ていて分かる。


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