先生に会いたい


楽しい時間が過ぎるのは早い。

ホームルームも、終わりに近づく。


「じゃあ、桜からみんなに何か一言!」


先生に見守られながら、私は教壇に立った。


先生は腕を組み、教室のドアによりかかって、私をやさしい目で見つめる。



「みんな、本当にありがとう。みんなのことがかわいくて、仕方ありません。私もこの学校を離れたくないです。」


みんなが真剣な眼差しで、私をまっすぐ見る。


「みんなはこれから受験という壁に向かっていくよね。みんなはみんななりに、頑張らなきゃいけないことがたくさんあると思う。でも、大丈夫。乗り越えられない壁を神様はつくったりしないから。乗り越えられるから、つくるんだよ。だから、今目の前にあることを一生懸命頑張って。遠くから、応援してます。私も、いい先生になれるように精一杯頑張ります。本当に、どうもありがとう!」


私が話し終わると、みんなが拍手をしてくれた。

先生も、やさしくうなずきながら拍手をしてくれた。



愛する人と共に夢に向かっていくこの瞬間…。


絶対に忘れない。


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