先生に会いたい

私がここまで傷つけたの？


先生の幸せを誰よりも願ってしたことなのに、私がしていることは間違っているの？


どうすれば、みんな幸せになれる？



誰か教えて…。



｢ごめんね、先生。傷つけて、ごめんね…。そんなつもりじゃなかったの…｣


傷ついて、弱ってしまった先生を、優しく抱きしめた。


先生が、とっても小さく見えた。



優しく、優しく…。


できるだけ先生を傷つけないように、伝えるんだ。



強くなれ、桜。



｢私、母子家庭だったから分かるんだ。美紀さんはこれからすごい苦労する。先生の支えが必要なんだよ。隼人くんも、空くんも、彩ちゃんも…。きっと『パパは？』って、先生の帰りを待ってるよ。私は、先生だけを愛してる。一生先生に恋してる。だから、戻ってあげて。お願い、先生…。｣


｢もう…だめ？何言っても…だめ？俺、お前以外誰も愛せねぇよ…。｣


先生の声は、弱々しかった。



｢ごめんね、せんせ…。短い間だったけど、すっごくすっごく……幸せだったよ……｣



私はそう言って先生に別れを告げ、先生の元を離れた。



振り返らなかった。


涙が止まらなかった。



さよなら…先生。


幸せになってね……。