先生に会いたい
ある日、先生に会いに行こうとしたら、先生も私に会いに来てくれるとこだった。
「せんせ……」
って、蚊の鳴くような声で言ったら、
先生は顔の表情を何一つ変えないで、私の背中を押し、会議室へ連れ込んでくれた。
会議室に入ると、先生は、窓から誰も見ていないかを確認して、『ゆっくりでいいから全部話せ』って、私のまとまりのない話を聞いてくれた。
すっごく嬉しかった。
先生は忙しい合間を縫って、よく保健室まで来てくれた。
でも、先生は絶対忙しいなんて言わないんだ。
ヒマなんだって言って笑ってた。
無理矢理教室へ連れ戻すわけでもなく。
怒るわけでもなく。
ただ、『どうした?』って、私の話を聞いてくれた。