先生に会いたい
第7章
やきもち
体育祭が終わってからは、勉強漬けだった。
「俺と電話してたら勉強できないだろ。しばらくは我慢な!本当に困ったときにかけて来い!」
そう先生が言ってから、先生とあまり電話をしなくなった。
テスト週間は、クラスの雰囲気もピリピリしていて、息が詰まるくらいだった。
そして、運命の通信簿。
先生は、私に5をつけてくれた。
4でも甘めだったと思うのに、まさか5をくれるなんて……。
そんな中でも、昼休みに先生に会いに行くことが、私の唯一の楽しみだった。
昼休みは、よく高校の話で盛り上がった。
「俺、靴下はルーズ派だな!」
「え!?今は紺ソでしょ!」
「いや!絶対ルーズ!高校になったらそれ履いて俺に会いに来て!」
なんて会話もした。
高校生になりたいけど、なりたくないような、複雑な心境。
先生の意外な好みに驚きだったけど、絶対高校生になったらルーズソックスを履いて先生に会いに行こうと、心に決めた。
こうやって先生に毎日会うことは当たり前のようで、当たり前じゃないんだね。
先生に会えなくなるなんて、今はとても考えられない。
いろんな思いを抱えながら、時間は確実に流れる。
「桜は卒業式、絶対泣く!」
って先生に断言されちゃった私。
卒業式か……。
私、どうなっているかな。
来年、ちゃんと志望校合格してるかな。