先生に会いたい
「先生!!子供生まれるって本当!?」
授業が終わった後の休み時間。
クラスの女の子が、教室を出ようとした先生に大きな声で言った。
何・・それ。
崖から突き落とされたような気持ちになった。
「ああ、うん!3人目!5月に生まれる!」
先生に・・3人目の子供?
嬉しそうな先生。
見たこともないような笑顔。
家族の話をしただけで、そんなに笑顔になれるんだね。
私には到底かなわない。
そして、先生は私を見た。
誰よりも『おめでとう』って祝福してあげなきゃいけないのに…。
ごめんね。
やっぱり私は子供だ。
そんなに強くない。
自分の気持ちの方が先に出るんだ。
私は、泣きながら教室を飛び出した。