大切なもの。



――――――…


「どーだった~?」


教室に戻ると千里が可愛いお弁当を食べながら私に聞いてきた。



「う、う~ん…。断っちゃった…」

「えぇ~!?!?あの先輩イケメンだったのにぃ~!?!?」



私が答えると、千里は大げさに大きな声を出して驚いた。



「あの、声大きいよ…?」

「あ、あぁ…ごめん」



千里は我に帰ったように周りを見回した。



周りからの注目を浴びていることに恥を感じた私はそそくさとリュックからお弁当を取り出した。




「でもね、告白してきたのはあの先輩のお友達さんなんだ」

「いやいやいやいや、あの先輩とつるんでる先輩もイケメンじゃんか!!」



< 8 / 10 >

この作品をシェア

pagetop