dear 青空の下の君へ
出会い
幸村透、15歳。
勉強だけは誰にも負けたことがなかった。
でも、今回は、
「水城成希」
入試で1位を取った人が入学式の新入生代表挨拶をする。
残念ながら、私の名前が呼ばれることはなかった。
だから、この人だけには勉強は負けたくない。と思ってたはずだったのに…
「透、なあ透ってば」
「今勉強してるの」
「透ー!たこ焼き!!」
「うるさいなぁ…今勉強してるの!わかる!!?」
「分かるけど、だって、透と一緒に行きたいんだよ。友達だし…」
果てしなく勉強したい。
っていうかいつから私は彼の友達になってたんだ。
クラスメイトは全員友達思考か。
でも、そんな顔されたら行ってやれないこともない。
だけど、私は入学式の次の日の恨みが忘れられない。
入学式の次の日、風邪で入学式を休んだ奴は学校に来た。
「俺、水城成希!よろしくなー」
「…」
「昨日は手紙ありがとな!」
「…」
「そんなに、勉強楽しいのか」
「…」
「なあ、透ってばー」
「…!!!!?」
「よし、これから透って呼ぶから」
「はあ!!?」
「おおーお前ら今日初対面なのにさっそくイチャイチャしてんじゃねえよ」
「先生やめてください教科書投げますよ」
「本当ですかせんせー!!!!!!」
クラスの視線を集めたのは言うまでもない。
だから私は奴が苦手だ。