dear 青空の下の君へ
友達
「難しーなぁー友達つくんのって」
「そうだね」
「透は?友達いないの?」
「いるよ、一応」
「それって俺?」
「うん。成希もそうだし、他のクラスにいるよ」
「以外」
「友達がいなさそうだってか」
「うん」
「よく言われる」
小学校の時から何度も繰り返されてきた言葉。
〝友達いるの?〟
「とりあえず誰かと話してみたら?」
「それもそうだな。誰か…」
彼の視線の先にいたのは…
「そーそー!あれクソ面白かった!!」
このクラスのムードメーカー、
陽日夕哉と、神楽坂大悟だった。
陽日くんは他のクラスに双子の兄がいる。
夕哉くんはどちらかというと可愛い系。
兄の陽輔くんはかっこいい系。
ちなみに無表情。終始無表情。
弟に見せる可愛い笑顔が人気です。
「そうだ」
「?」
「俺、幸村に用あったんだ」
「何」
「これさ、お願いしてもいい?」
そこに書かれていたのは体育祭の競技出場メンバー。
私は運動神経悪い方じゃないし。
「あ、それだったら成希の方がいいと思う」
「マジで?」
「うん、私が保証する」
「確かに、この間の体育のテスト水城くん足速かったし」
可愛く陽日くんが笑う。
「ほら、やってみれば?成希」
「べ、別に、」
「頼む!あと一人欲しいんだ!!!」
「しゃーねーな、やる!」
「サンキュ!決定な!!!」
「あとなんかできることあるか?」
「これは?借り物競争」
「俺走ってばっかり。やるやるー好きだし、そういうの」
「ナイスー。どう?幸村は?」
「出る」
「決定!ほんとありがとう助かった!」
「おう」
ちゃっかり握手交わしてるし
「これって、友達…!!!!?」
「今更かよ」
苦笑いする神楽坂くん。
「は?」
「え、何俺友達じゃなかった系?」
「いやいやもちろん友達!よろしくな、大悟っ」
よかったね、と心の中で笑う。
「明日から練習始まるから」
「わかった」
「りょーかいっす!」
夕日が射す教室。
君の笑顔が一番眩しかったのをよく覚えてる。