俺と初めての恋愛をしよう
「今日子」
「はい?」
「ここで一緒に暮らさないか?」
後藤の提案に、今日子はもたれていた身体を直して向き合った。
「部長?」
「急に思ったことじゃない、ずっとそう思っていたんだ」
「それは……ちょっと」
「お前は明日有給を取って、アパートの解約の手続きをしてきなさい。引っ越しは俺が業者を頼む。今週末だ。決まり」
今日子が断ることは許されない。後藤は返事を濁す今日子に強引に押し切った。
「ちょっと、ぶ、部長!」
「今日からもう帰らなくていい。幸いにも植草と買い物をした物がここに置いてある。明日はそれを着て行けばいい。不動産屋に行き解約して、アパートに戻って整理をする。以上」
「……」
今日子は開いた口が塞がらなかった。
疲れも悩みも吹き飛び、後藤をびっくりした顔で見る。
「今日子、安心しろ、有給は俺が連絡を受けたと言って、申請をしておくから」
後藤はしめた顔で言った。部長という役職を悪用している。
今日子は短い日数だったが後藤のことは手に取るように分かる。言いだしたら聞かないのだ。
「……わかりました」
返事は決まっている。こう答えるしか今日子には出来ない。
後藤の満足げな顔を見て、更に疲れが襲うも、思わず笑ってしまう。
「何が可笑しい?」
「私たち、ジェットコースターのようです」
「なんだ? それ」
「後藤部長が本社に戻られてから何日です? それから、ここまで……一緒に暮らすことになるまで早すぎです」
「時間など関係ない」
「部長、私が過ごしてきた時間は何だったのでしょう……」
「はい?」
「ここで一緒に暮らさないか?」
後藤の提案に、今日子はもたれていた身体を直して向き合った。
「部長?」
「急に思ったことじゃない、ずっとそう思っていたんだ」
「それは……ちょっと」
「お前は明日有給を取って、アパートの解約の手続きをしてきなさい。引っ越しは俺が業者を頼む。今週末だ。決まり」
今日子が断ることは許されない。後藤は返事を濁す今日子に強引に押し切った。
「ちょっと、ぶ、部長!」
「今日からもう帰らなくていい。幸いにも植草と買い物をした物がここに置いてある。明日はそれを着て行けばいい。不動産屋に行き解約して、アパートに戻って整理をする。以上」
「……」
今日子は開いた口が塞がらなかった。
疲れも悩みも吹き飛び、後藤をびっくりした顔で見る。
「今日子、安心しろ、有給は俺が連絡を受けたと言って、申請をしておくから」
後藤はしめた顔で言った。部長という役職を悪用している。
今日子は短い日数だったが後藤のことは手に取るように分かる。言いだしたら聞かないのだ。
「……わかりました」
返事は決まっている。こう答えるしか今日子には出来ない。
後藤の満足げな顔を見て、更に疲れが襲うも、思わず笑ってしまう。
「何が可笑しい?」
「私たち、ジェットコースターのようです」
「なんだ? それ」
「後藤部長が本社に戻られてから何日です? それから、ここまで……一緒に暮らすことになるまで早すぎです」
「時間など関係ない」
「部長、私が過ごしてきた時間は何だったのでしょう……」