俺と初めての恋愛をしよう
月曜日。またいつもの週が始まる。後藤とは上司、部下の関係を保つ。
もっと動揺するかと思ったが意外とできるらしい。と今日子は新たな自分も発見もした。
他人からの関わりをシャットダウンしていた今日子は、気にとめられることもないので、周りから後藤との関係を怪しまれなくて済むと、少し安心した。
昼休みは習慣になった植草のところに行く。
ドアをノックして入る。

「こんにちは、林さん」
「失礼します、先生」

植草がじっと今日子を見て何も話さないのでどうしたのか首を傾げる。

「先生、私どうかしましたか?」
「えっ? ああ、林さん……あなたとても綺麗になったわ。たった2週間くらいで。後藤さん、やるわね」
「いつもと変わらないです。かわいくなんかないです。止めて下さい」

なれない言葉を掛けられ身振りも大きく否定する。

「本当よ、依然はおどおどした目をしていた。でも今はとても愛されて自身に満ちた目をしているわ」
「先生、そのことでご相談があります」
「ん? なあに?」
「その……男性とお付き合いするということは、その……あの……部長が金曜日は毎週泊りに来いと言ったんです」

 植草には今日子が言わんがしていることがすぐに分かった。恥ずかしくて、今日子は顔を赤らめる。医師である植草だから相談出来たようなものだ。
 後藤は、 寝具まで買い、準備万端だ。 デパートで選んでいるときも、頭の中はいらぬ想像で一杯だった。

「そうね。言いたいことは分かるわ」
「でも、私……ずっと決めていたことがあるんです。その為だけに仕事をしてきました。もうお金も大体貯まりました。この醜い身体、顔を作り変えたいんです。部長に嫌われてしまいますか?」
「え!? あなた、作り変えるってもしかして、整形手術のことを言っていたの?」
「本当は、会社を辞めて、作り変えて人生をリセットするつもりでした。整形をしたら、女友達も作って、男性とお付き合いしたり、今までしてこなかったことを楽しもうと思っていたんです。……でも、作り変える前に部長の事が好きになってしまって」
「林さん……。どんな整形をする予定だったの? よかったら聞かせて?」

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