俺と初めての恋愛をしよう
「あっ! そうそう、林さん、早く携帯の電源を切って。野獣がうるさいから」
「へ? 野獣?」
「後藤さんよ、早く切って」
植草に言われ、今日子は急いでバッグから携帯を取り出した。すると着信がなんと10回きていた。
「先生、凄いです。部長からの着信」
「でしょ? 早く電源切って。これから女同志の楽しいお買いものなんだから、野獣に邪魔されてたまりますか!」
「電話だけでも入れていいでしょうか?」
これだけ着信があって、無視するわけにはいかなかった。
「う~ん、仕方ないわね、電話してあげて」
「はい、では」
今日子は、着信から後藤に電話をする。
すると、ワンコールも鳴らないうちに、後藤がでた。
「あ、私です」
『今日子、何もないか? 大丈夫か?』
まるで娘を心配する父親のようなセリフだ。
「ええ、今、美容院が終わって、これから食事に行くところです」
『そうか、何かあったらすぐに電話するんだ。いいな?』
「はい」
『今日子……愛してる』
「え?……えっと……その……」
好きという告白よりも重い、愛してると言う言葉。
嬉しくもあったが、此処が外だと言うことで、恥ずかしさの方が先に立つ。
『楽しんで』
「はい」
そうして、電話を切る。
いつも以上に胸が熱くなり、胸がいっぱいになった。
「さて、心配ごとがなくなったから、これからもう一人私の友人とレストランで待ち合わせをしているの。そこで、ランチをしてお買いものスタートよ? 行きましょう」
「はい」
銀座の街を軽やかな足取りで歩く。今まで感じたことがない感覚だ。小学校時の遠足の前のようだ。ウキウキしてしようがない。ショウウインドウに自分の姿が映るたびに髪を整える。歩くたびに跳ねるカールが嬉しい。
レストランに行くまでも今日子と植草はと話が弾み、はしゃいでしまっていた。
二人が、待ち合わせのレストランに着くと、先に来ていた植草の友人でもある中島が、席から手を振っていた。
「ここよ」
手を振る女性は、髪の先から爪の先まで美意識がきちんとなされている大人の女性だ。
今日子は一瞬ひるんでしまった。
「お待たせ。こちら、会社で一緒の林 今日子さん。で、こちらは私の友達で中島 五月さん」
「初めまして、林と申します」
今日子は、植草にも失礼がないように、丁寧にお辞儀をする。
上から下まで見られてはいないか、植草の友人だから大丈夫だ。今日子はそんなことを思っていると悟られないように、普通を装う。
「へ? 野獣?」
「後藤さんよ、早く切って」
植草に言われ、今日子は急いでバッグから携帯を取り出した。すると着信がなんと10回きていた。
「先生、凄いです。部長からの着信」
「でしょ? 早く電源切って。これから女同志の楽しいお買いものなんだから、野獣に邪魔されてたまりますか!」
「電話だけでも入れていいでしょうか?」
これだけ着信があって、無視するわけにはいかなかった。
「う~ん、仕方ないわね、電話してあげて」
「はい、では」
今日子は、着信から後藤に電話をする。
すると、ワンコールも鳴らないうちに、後藤がでた。
「あ、私です」
『今日子、何もないか? 大丈夫か?』
まるで娘を心配する父親のようなセリフだ。
「ええ、今、美容院が終わって、これから食事に行くところです」
『そうか、何かあったらすぐに電話するんだ。いいな?』
「はい」
『今日子……愛してる』
「え?……えっと……その……」
好きという告白よりも重い、愛してると言う言葉。
嬉しくもあったが、此処が外だと言うことで、恥ずかしさの方が先に立つ。
『楽しんで』
「はい」
そうして、電話を切る。
いつも以上に胸が熱くなり、胸がいっぱいになった。
「さて、心配ごとがなくなったから、これからもう一人私の友人とレストランで待ち合わせをしているの。そこで、ランチをしてお買いものスタートよ? 行きましょう」
「はい」
銀座の街を軽やかな足取りで歩く。今まで感じたことがない感覚だ。小学校時の遠足の前のようだ。ウキウキしてしようがない。ショウウインドウに自分の姿が映るたびに髪を整える。歩くたびに跳ねるカールが嬉しい。
レストランに行くまでも今日子と植草はと話が弾み、はしゃいでしまっていた。
二人が、待ち合わせのレストランに着くと、先に来ていた植草の友人でもある中島が、席から手を振っていた。
「ここよ」
手を振る女性は、髪の先から爪の先まで美意識がきちんとなされている大人の女性だ。
今日子は一瞬ひるんでしまった。
「お待たせ。こちら、会社で一緒の林 今日子さん。で、こちらは私の友達で中島 五月さん」
「初めまして、林と申します」
今日子は、植草にも失礼がないように、丁寧にお辞儀をする。
上から下まで見られてはいないか、植草の友人だから大丈夫だ。今日子はそんなことを思っていると悟られないように、普通を装う。