この音よ、響け。
『秋美奈、美桜ちゃん、こっちこっち!』
波留先輩に呼ばれる。
『じゃあ、とりあえず…秋美奈はこれね。』
そういって波留先輩は黒いケースを秋美奈に渡した。
『あ、ありがとうごさいます!見てもいいですか?』
『いいよ。』
秋美奈は中身をみて感心していた。
中身はクラリネット。
波留先輩が渡したのは、これから秋美奈が使う楽器だった。
『わぁ…。すごくキレイ。新品みたいですね…』
『手入れをしっかりやってるからね。秋美奈にも叩き込むから、覚悟しなさい!』
『はい!』
『んじゃ、美桜ちゃんはこれね。』
そういって縦長の黒いケースをもらった。
『中身、みてみな?』
先輩に言われ、中をあけると、
金色の、キラキラしたサックスがめに入った。
「わぁ…」
『さすが、サックスもキレイ。』
秋美奈が言う。
『美桜ちゃんには一から教えるから、安心して?じゃあ、二人とも、それもって教室棟の三階にいこっか。』
「『はい。」』