誰も信じない

もしかしたら、新田さんが抱きしめてくれた時に、あのぬくもりが私を素直にしてくれたのかもしれない。


「俺さ、思うんだけど、お見舞いは無理して行かなくていいんじゃね？お見舞いに行かないまま、お父さんが亡くなったとしても、いつか許せる時が来た時に、お父さんに会いに行けばいいじゃん。自然に橘さんが変わるまでは、そのままでいいと思う。」


魔法の言葉を聞いているみたいだった。あれだけモヤモヤとしていたのに、心の中がすっごく軽くすっきりとしてきたんだ。

新田さんのぬくもりは魔法なのかもしれない。



新田さんの涙もね。