誰も信じない
「マスター、いつものちょうだい。」


「はい。」


差し出されたカシスオレンジを飲む。

これはね、半分乾杯の気持ちなんだ。もちろん半分は失恋の慰めなんだけど、半分は喜びの乾杯なの。



変かな?

でもずっと人を信じられなくて、信じるのが怖くて、ずっと誰も好きにならないって決めてた私。それが好きになれたんだよ。





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