誰も信じない
「嘘。(笑)泣いていいよ。ずっと泣けなかったんだろ?ずっと誰にも言わなかったんだろ?ずっと苦しかったんだろ?」


「何で…。」


「ん?」


「新田さん、何で私のことがわかるの?」


零れる涙を拭うことを忘れて、聞いてみたかったことを聞いてみた。

そしたら新田さんは、何も言わずに微笑むだけで、ポケットからハンカチを取り出して、私に渡してくれた。


「ありがと。」


ハンカチで涙を拭いた。久しぶりに流した涙は、すっごく温かかった。





< 221 / 507 >

この作品をシェア

pagetop