誰も信じない
「いらっしゃいませ。」


店員さんの挨拶は、BGMのように感じで耳に入ってこなかった。だから…








私は涙が溢れてきていることに気づかなかった。


「橘さん、何で泣いてんだよ?」


びっくりして振り向いた。



!!!



新田さん!


振り向いた拍子に、涙が零れた。

急いで隣に座った新田さんが、私の涙を指でそっと拭ってくれた。



何でここにいるの?

新田さん、どうしてここにいるの?

どうして涙を拭ってくれるの?



私はあなたを傷つけたのに。






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