誰も信じない
「こ、晃一、ありがとう。大丈夫。」


「気をつけて。」


「うん。」


そう返事はしたものの、やっぱり足腰に力が入らない。こんなに酔っ払ったのは、本当に久しぶりだった。

お酒は強い方だから、普段はこれくらいじゃ酔っ払わないのに。


「じゃあ、送って行くから帰るか!(笑)」


「ごめんなさい。」


私達はお店を出て、晃一がタクシーを拾ってくれた。

タクシーに乗って、私の家へと向かった。


「今日の美穂と新田を見ていたら、本当は帰したくないんだけど。(笑)」


つぶやくように、晃一が言っていたけれど、私は返事に困ってしまって、聞こえないふりをするしかなかった。








< 348 / 507 >

この作品をシェア

pagetop