四つ葉のクローバー
私が案内されたのは、ほっんとーに何もない、ピンク色の場所。ほんとーにただのピンク色のとこ(笑)
そこには、私と同い年ぐらいの女の子が3人座っていた。
「とりあえず、ここで3日間生活してもらう。今座っておるのはそなたと同い年で同じ日に亡くなった方々じゃ。色々話をしてみると良い。」
「あの、ご飯とかお風呂はあるんですか?」
「ご飯…お風呂…。…そなたは今、俗に言う“幽霊”じゃ。幽霊は何か食べたりすることはできないのじゃ。お風呂も入れんよ。水が体を通りぬけるから意味ないんじゃ。」
…そっか…あたしは今幽霊…。
なんか不思議…。
「じゃあわしはこれで。
また何かあるときには呼びに来るからの。」
そう言って、神様は消えていった。
「…あの…こんにちは…。」
私は座っている女の子たちに声をかけた。
「こんにちは〜。」
女の子たちは笑顔であたしを迎えてくれ、自己紹介もしてくれた。
女の子たちの名前は、結衣、可奈、美紀だそうだ。
結衣は色白で小さくて、守ってあげたくなるようなコ。
可奈はショートヘアーで背が高い、かっこいい女の子。
美紀はサラサラストレートヘアーの、美人な優等生って感じのコ。
3人とも、あたしと同い年って神様が言ってたから、皆高1か。
皆大人っぽい…。
「あんたは名前なんてゆーの?」
可奈があたしに聞いてきた。
「あたしは…江角 ひな。」
「ひな。よろしくな。」
「かわいい名前!よろしくね〜。」
「ひなちゃん、よろしく〜。」
3人とも、いい人みたい。
「てかさ…。いつの間にか死んじゃってて、もう好きだったサッカーできなくなったなんて…悲しいよな…。」
可奈が突然泣きそうな顔で言った。
「…神様が、忘れたくない、っていう強い気持ちがあれば、前世の記憶を残したまま生まれ変わることもできるって、言ってたよな。だから、あたし、絶対生まれ変わっても、サッカーのこと…大好きだったサッカーのこと、忘れずに生まれ変わってやるんだ!
んで、また生まれ変わってもサッカーするんだ…!」
「…あたしは、生まれ変わってもまた好きだったピアノに出会いたい!」
結衣も言った。
「…あたしは…前世で片思いしてた人に、生まれ変わったら今度こそ想いを伝えられるといいな…。大好きだったのに、好きって言えないまま死んじゃったから…。」
−−大好きだった−…。
美紀の言葉を聞いて、あたしは勇人のことを思い出した。