T.M.City
 「よぉ、天使ちゃん♪」

長い爪でルリの顎先を撫で回しながら悪魔は言った

低くて、男性らしい声だった

ルリは体を震わせていた

 「可愛い天使ちゃん。フッ、いい鴨を手にした」

不気味に笑いながら悪魔は言った

ルリは殺される覚悟をして、目を閉じた

命の木の双子の精霊を守護できなかった――それだけが唯一の悔いだった

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