T.M.City
 「もしかしたら、ニイナは生きてるかも知れないし、ね?」

ルリは慌てて身振り手振りを加えて説明した

ニイナは生きたまま地上の世界へと落ちたのだ

もしかしたら、生きているかもしれない

そして初めて気が付いた――視界に入った自分の手に違和感を覚えたのだ

恐る恐る確認すると、腕が真っ黒な衣裳に包まれていた

真っ黒な衣装から延びるのは、あの時、首を締め付けていた細長い爪だった

恐怖を越えて、感情が崩壊してしまったかのように、ルリは無感情に陥った

< 111 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop