未来GIRL
哀しみは度を越えると涙も出ないらしい。


放心し、ただただ天井を見据えていた。


静寂を破ったのはミチルだった。


「でも一つだけユイちゃんを助ける方法があるわ」


「ど、どんな?」


声を裏返らせ、藁をも縋る思いで尋ねた。


「ユイちゃんの病気も未来の医療技術なら治せるわ」


「頼む。一生のお願いだ。何とかしてくれ」


「でも・・・」


ミチルは言葉を区切ると、窓の外を眺めた。
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