未来GIRL
「おまえのその声、メスだよな?」


「メスなんて言い方はやめてちょうだい。女の子って言って」


「女の子ねえ」


「ていうか、オスかメスかも知らずにワタシを拾ったの?」


ミーが尻尾を振って抗議する。


出会いは三日前の、小雨の降る土曜日。


昼間、鬼コーチに散々しごかれ、千本ノックを課せられたオレは、日が暮れる頃にはくたくたで、廃人同然だった。


夕方、傘も差さずにフラフラでアパートの前に着くと、門の脇にみかん箱。


一瞥をくれて素通りするつもりでいたが、中から「ミャーミャー」という声。


不覚にも、足を止めてしまった。
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