未来GIRL
山を下ると時間は五時を過ぎていた。


山肌に添うように伸びた国道を駅に向かって歩き出す。


タクシーが通ったら拾うつもりだったが、車の数自体が少なく、なかなか拾えそうになかった。


やがて高校のグランドが現れた。


白い帽子とユニフォームを身に着けた野球部員たちが実戦形式の練習をしていた。


「何物欲しそうな目をしてるのよ」


「野球やってるときは“なんでこんな苦しいことしなきゃいけないんだ”って思うもんだけど、しばらく離れると、野球がしたくてムズムズしてくるもんなんだよ」


「とりつかれてるのね」


「そうかもしれない」
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