好きと嫌い


「伊能君て明るいよね。」


まだ出会ったばかりだけど伊能君の明るさと協調性の良さはすぐに分かった。


「まぁタカは誰にでも優しいし明るいから中学ん時から人気あったよー」

「へー。やっぱりそうかぁ」

「ま、私はあんま好きくないけどね。」


梓ちゃんは頬杖をつき苦々しい表情で言った。


「え、なんで?」

「・・・あいつ、昔っから女好きでさ。彼女とっかえひっかえなんだよ。」


梓ちゃんはそう言うと私の手をガシッと掴むと


「だからえりはタカに騙されちゃ駄目だよ!えりは可愛いんだから絶対タカ狙うよ!」

「え、ええぇ!?」


梓ちゃんの言葉に私は目を丸くする。いくら伊能君が女の子好きでも私みたいな暗い女、相手にしないと思うんだけど・・・


「それはないよ!私、暗いし。それに可愛いくないし・・・」

「えー、えりは暗くないじゃん。私とも普通に喋ってるし。それにえりは可愛いーよ!」


梓ちゃんはそう言ってくれるけど私は私を笑顔で励ましてくれる梓ちゃんの方がすごく可愛いと思うな。


それにしても伊能君が女の子大好きで彼女とっかえひっかえかー・・・でも伊能君カッコイイし、モテるんだろうなぁ。



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