好きと嫌い

そんな話をしていたら授業開始のチャイムが鳴り先生がやってきた。

皆慌てて自分の席に座ると授業が始まる。


授業は始めという事もあって中学の復習からだった。私立でレベルも比較的上だった中学に通っていた私にとってその授業は少し退屈で私はボーッと先生の言葉を聞き流していた。

先生の話なんて頭に入ってこない。

ふと周りを周りを見るとたまたま伊能君が目に入った。


「ふぁ・・・」


あ、伊能君欠伸した。それがどこか可愛くて私は小さく笑った。すると私の視線に気づいたのか伊能君はバッと私の方を見た。

そして

『見た?』


そう書かれたノートを私に見せてきた。私は慌てて

『見ちゃった。ごめん。』

そう書いて伊能君に見せる。


『別にいーよ。でもちょい恥ずかしいな。』

『恥ずかしくなんかないよ。私も欠伸よくするし。』

『本当?なんか意外。』

『よく言われる。』


そんなノート上のやり取りを続けていたらいつの間にか授業終了のチャイムが鳴った。

先生が教室から出ると一気に騒がしくなる皆。



< 17 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop