好きと嫌い

その後の授業も私はずっと伊能君を目で追っていた。

梓ちゃんが言っていた事が気にならなかった訳じゃないけど最早無意識の内に目で追ってしまっている。


「はぁ･･･」


こんな事初めてだからどうしたら良いか分からない。悩んでいるとブブブっと携帯が鳴った。

「双葉ちゃんだ･･･」


携帯を開くと双葉ちゃんからメールがきていた。


『彼氏とデート中～羨ましいだろ！』

という内容の文面と共に双葉ちゃんとその彼氏さんが写ったプリクラが添付されていた。相変わらずのラブラブっぷりだ。


どうして姉妹間でこうも違うのだろう。私は今日何度目か分からないため息をついた。