好きと嫌い


「それは恋ね!」

「恋?」


家に帰り双葉ちゃんと三葉ちゃんに伊能君へ抱く不思議な気持ちの事を相談してみた。

すると双葉ちゃんは私にそう言い出したのだ。

三葉ちゃんもうんうんと頷いている。


「えり、あんたはその伊能君って子に恋をしてるのよ!」

「ま、まさかぁ~」

「うんにゃ、確実に恋だね!ね、三葉。」

「うん。それは確かに恋だよ。」

なんとも恋愛脳な姉達なんだ・・・私が伊能君に、ていうか男の子に恋なんてありえないよ。私、初恋だってまだなんだから。

「だってりえは伊能君が気になるんでしょ。」

「う、うん・・・それは、そうだけど。」


確かに伊能君の事は気になる。気になるけど・・・


「それって恋なのかな?」

「そうよー。えりは今まで男に免疫なかったでしょ?だから気づいてないだけだよ!」

「うーん・・・」


私が考えこんでいたら双葉ちゃんと三葉ちゃんはニコニコしながらジュースを飲んだりお菓子を食べている。(ちなみにお菓子は私が作ったクッキー。)


「えり、あんたは伊能君が彼女といた所を見てどう思った?」

「え、」


伊能君とその彼女・・・そういえば伊能君の彼女、平凡な私と違って格好いい伊能君と釣り合う可愛い子、だったなぁ。

楽しそうに伊能君と手を繋いでデートして・・・

あれ、変だな。


なんかモヤモヤする、気が。

「??」


伊能君と伊能君の彼女の姿を想像しただけで胸がモヤモヤする。なんで?私にとって伊能君はただの同級生なのに。




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