好きと嫌い
「・・・モヤモヤする。」
私が沈んだ気持ちでそう言うと二人はお互い顔を見合わせた。
「やーっぱり恋してるんじゃん。」
「ねー、いっちょ前に嫉妬までしちゃってさ。」
三葉ちゃんの言葉に私はすかさず反応した。
「嫉妬?」
「そうだよ。えりは伊能君の彼女に嫉妬してんの!」
嫉妬、そうか。胸のモヤモヤは嫉妬のせいなのか!
てことは私は本当に伊能君に恋をしてる・・・?
「どーしよ、今さら恥ずかしくなってきた。」
私はテーブルに顔を伏せて言った。
「私、まだ会って少ししかたってない伊能君の事、好きになったんだー・・・」
しかも伊能君、彼女いるし・・・
「よしよし、えり。」
「可愛い妹よ。私達は味方よ~」
慰めの言葉と共に双葉ちゃんと三葉ちゃんは私の頭をよしよしと撫でてくれた。
それがとても心地よくて私は少し涙を流してしまった。
双葉ちゃんと三葉ちゃんに泣いた事を気づかれないか不安だったけど幸い二人は気づいていない。
「(私、初恋してすぐ失恋しちゃった・・・)」