好きと嫌い


「だって・・・手、繋いでたし。仲良さそうだったし・・・」

「それは昨日の子が手繋ぎたーい!って言うからさー」


女の子のお願いはなるだけ聞きたいからさ。と伊能君。


やっぱり梓ちゃんの話、本当だったんだ・・・


「ま、そーゆう事だから勘違いしないでな?」


伊能君は笑顔で言うと私の頭にポンと手を置いてから歩いて行ってしまった。


「伊能君!」

「ん?」


私は思わず伊能君を呼び止めていた。振り返る伊能君。


「梓ちゃんに聞いたの。伊能君は女好きで彼女もとっかえひっかえだって・・・」

「・・・ふーん、曽我部がねぇ」


ニヤニヤと怪しげに笑う伊能君。その伊能君の妖艶な顔に思わずゾクッとしてしまった。


「・・・本当、なの?」


私は勇気を出して聞いてみた。


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