好きと嫌い


「はー・・・」


なんで私ってば伊能君の衝撃的な所ばかり見てしまうんだろう・・・


好きな人のあんな所、見たくなかったなぁ。


「伊能君のバカ・・・」


「誰がバカだって?」


慌てて前を向くとちゃんと制服を着た伊能君が立っていた。


「あ、伊能君・・・」


「はい、置いてったでしょ?本。」


伊能君はそう言うと私がさっき置いていってしまった本を手渡す。


「・・・ありがとう。」


「別にいーよ。それにしてもまた有坂さんに見られちゃうとはなー」


俺恥ずかしー!と伊能君は顔を手で覆う。けど実際はちっとも恥ずかしそうじゃない。むしろ楽しそうだ。


「さっきの、学校でしない方がいいよ。」


「えー?だってスリルあっていいじゃん。」


「スリル・・・?」


「うん。学校とか見つかりやすい場所ですると女の子の感度もあがるしさー」


「かっ!?」


なんて事を言うの伊能君!!



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