好きと嫌い
「ま、さっきの事は内密に。」
「っ・・・」
「もし誰かに喋っちゃったらー」
私にゆっくりと近づく伊能君。あれ、このパターンは・・・
「襲っちゃうかもね。」
「!??」
やっぱりー!毎回毎回、耳元でそんな低音ボイスで喋られたらこっちの身が持たないよ!
「ぜっ、絶対・・・言わない。から!」
「本当かな~?」
怪しむ伊能君に私は必死に首を縦に降る。すると突然、伊能君は顔を私の首元に埋めた。そして
「なっ・・・」
チューッと皮膚を吸われ、私は思わず顔を歪めた。
「出来た・・・」
ようやく首元から伊能君の顔が放れた。そして私は満足げに言う伊能君が理解できなかった。
「は、何を・・・?」
「印、つけちゃった。」
ツゥーっと私の首元にできた赤い痕を伊能君の指がなぞる。