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"孤児院閉鎖のお知らせ"



長い間過ごした孤児院が閉鎖する。それは俺にとって重大なことだ。
具体的にいうと家がなくなる、そういう感覚だろうか。

でも一番に頭に浮かんだことは

「今ここにいる子ども達はどうなるのだろうか」

だった。
孤児院がなくなれば住む場所がなくなる。
自分の居場所も失ってこの子たちはどう生きていけばよいのだろうか



『あら華那くんきてたの?』

貼り紙の前に立ち止まっている俺に気づいた職員が話しかけてくる

『ねぇ、ここってなくなっちゃうの??』

『えぇ....。ここの土地に国の建物ができるらしいの』

国の建物ねぇ.....
結局大人のわがままで子どもが振り回されるわけだ

『子どもたちは?』

『それぞれ受け入れさきがきまってるわ
でも問題は....』

『??』

『奏太君と空君わかるわよね??あの子たちは誕生日を迎えて18歳になったから丁度ここをでていかない時期で、どうしても受け入れさきが決まらないの
それに双子もまだきまってなくて.....』

双子....

『そっか.....』



『『あっ華那ちゃんだぁー!!』』

遠くで叫んで走ってくる2人の女のk...
....いや、男の子だった。


『久しぶりだな』

『『華那ちゃん元気ぃ??』』

『元気だよ、今日は2人で遊んでたのか??』


そう、こいつらは双子。
受け入れさきが決まってないうちの2人だ


『違うよ、ひなちゃんと 叶亜ちゃんと 夢亜ちゃんと4人で遊んでたの』

『他のみんなはうつっちゃったからね』

へへっと顔を合わせて寂しいそうに笑う日向と琉風
こいつらも受け入れさきが決まればバラバラになってしまうのだろうか

.....てか4人って言ったか??
もしかして双子ってこいつらだけじゃねぇのか....??
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