青空へ届け


その男の子は
私を見て
驚いた顔をした。


「もしかして
"櫻井アリス"?」


え?
何で私の名前。


「何で青空
アリス知ってるの?」


私が思っている事を
まったくそのまま
星蘭ちゃんは
青空くんに言った。


「ねぇ!!
櫻井アリスだよね!
聞かせてよ。うた」


何で知ってるの?


「「う……た?」」


星蘭ちゃんと
有留くんは不思議そうに青空くんを見た。


………うた……
私にはもう
歌えない。
違う。
歌っちゃいけない。


「ね!!
歌聞かせてよ!」


"私の事何で
知ってるの?
私歌は歌えないよ"


私がホワイトボードを
見せると
青空くんは
驚いていた。


「もしかして……」


"私、声が出ないの"


「そ…なんだ。
やっと見つけたのに。
あっ!自己紹介!
俺は佐藤青空(サトウアオゾラ)よろしく。」


一瞬切なそうな
顔をした
青空くんは
私にそう言った。


「もしかして
アリスちゃん知らないの?
青空はね。
人気歌手だよ」


えーー?
私普段はテレビなんて
全然見ないから
気づかなかった。
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