私とテニスとあいつらと
「つーかよ。お前幸田に何したんだよ」
「へ?」

私が窓の外を見ていると、隣にいた連が話しかけてきた。

「だから、お前幸田に何したんだよ」

その言葉に私は固まる。

「何もしてない、はず」
「そんなことねーだろ。俺があの時松谷呼んでこなきゃ、今ごろお前幸田にボコボコにされてたぜ?」

それはありがたいと思うけど、それまであいつらと一緒に見ていた連は、優しいのか意地悪いのかわからない。
だからあえてお礼は言わないことにしよう。

「はぁ・・・もういいや。連にはホントのこと言うよ」
「おー。ちゃんと聞いてやるから話せ」
「あのね、実は・・・・」

そうして私は連に全てを話した。
すると連は苦笑いしながら、まぁ頑張れ。幸田には言わねぇからと言って、私にアメをくれた。くそぅ、カッコいいな!好きにはならないけどね!









そして放課後、私は特別教室の掃除をしていた。

「ねー、美月!」
「んー?なに?」
「今日の朝、テニス部の人たちといろいろしてたでしょ!」

今日の朝、そしていろいろとくれば、あの命がけの追いかけっこしかない。

「う、うん。まぁ・・・」
「何してたの?」

いくら友達でも、何してたの?と聞かれて、命がけの追いかけっこしてました。なんて口が滑っても言えるはずがない。

「え、いや・・まぁ、いろいろと・・・」
「ってゆーか美月!どうやったらあのテニス部のレギュラー達と仲良くなれるの?!」

むしろ、私がなんであいつらと仲良く見えるような関係になっているのか知りたいです!

「えぇっ?!えっと~・・・話し掛ければいいんじゃない、かな・・?」
「無理だよそんなの~!」

友人はそういうと、頬を染めキャーキャー言っている。
そんなに凄いやつらばっかりなのか、テニス部!




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