私とテニスとあいつらと
・・・とは言ってみたものの、マネージャー業初日からもう挫折しそうです。

「ちょっと!何あの女!!」
「何でレギュラー達と一緒にいるのよ!」
「いや~!!!!」

私がジャージに着替えて、レギュラー陣達とコートに入った瞬間、コートの周りのフェンスに張り付いていたファンの女子達からもの凄い叫び声が聞こえてきた。

「おーおー。美月、女子達すごい事になってるぜ?」
「そーですね・・」
「まあ頑張れよ」

私が連と話していると、さらに女子達からもの凄いブーイング。中には泣きだしてしまった人もいる。そして何よりも、周りの女子達の「あんた何でレギュラー達と一緒にいるのよ!」な視線が痛いこと痛いこと・・・・

私、一年間この部活でマネージャーやっていけるのでしょうか?

「おい美月!仕事の内容教えるから来い!」
「あ、うん!」

私は、幸田とほぼ殴り合いに近い感じで仕事の内容を教わり、一日目のマネージャー業を終了させた。








そしてやっと部活が終わり、今日は家に帰ったらすぐ寝ようと思ってたのに。

「どこ行くんだよー」
「ファミレスとかでいいんじゃねーの?」
「そうだな。ファミレス行くか」

思ってたのに・・・

「おい美月。この俺と並んで歩けるんだ。誇りに思いな」

どうしてこいつ等がいるんでしょうか?


「し、死ぬ・・・・・」
「まぁまぁそう言うなって!」
「そうだぜ美月~!ノリ悪いぞ!!」
「明るくいきましょうよ、美月先輩!」





事の始まりは部活終了後の部室の中。私は疲れたので、まっすぐ家に帰り寝ようと思っていた。
しかし、その願いは亮の何気ない一言で壊されてしまった。

「なあ。美月の歓迎会やらねえ?」
「は?いいよ別に」
「おっ!いいっスねえ。行きましょうよ!」
「だからいいってば!」
「んじゃあ今から行くか!!」
「「「賛成ーっ!!!」」」
「え、ちょっと・・・」

私は、初めて人の好意を憎らしく思いました。
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