私とテニスとあいつらと
「あーもういい加減にしろ!あんたらもう中3でしょ?!」

我慢に限界がきた私は、本能剥き出しでマジ喧嘩しているバカ三人組を鞄で叩いて黙らせた。

「じゃあ美月はどこに座るんだよ!」
「そーっスよ!どこに座るんスか?!!」
「俺の隣だよね~」

こーゆう場合は私が正しいはずなのに、なぜか他人のフリをしている三人組以外のやつらに怒鳴られてしまった。

あれ?これ、私の歓迎会じゃないの?

「じゃあれ「却下」

・・・連と言おうとしたら、すぐに却下されてしまいました。

あいつ、どこまで俺様なんだよ!!

「なんで?!私はあの三人組と一緒に、普通においしい物食べる事にしてんだから!!」
「そんなこと俺が知るわけねぇだろ。とにかく俺の隣に座れ」

そう言って幸田は私の腕をグイッっと引っ張りイスに座らせようとしているけど、その反対では丸川が「駄目っスよブチョー!!!」と言いながら私の腰にしがみ付き踏ん張っている。

「いだだだだ!腕取れる!もげるっつーの!!!!」
「ブチョー!美月先輩が痛がってますよ!その手を離してください!」
「うるせぇ丸川!てめえこそ腰にまわしてる腕離せよ」
「てめえら二人が離せ!ちょっと連!助けてー!!」

私がそう言ったにもかかわらず、連は他人のフリをまだ続けているようで、聞こえないフリをしていた。
柳原に助けを求めても助けてくれなさそうだし、裕樹も他人のフリしてるし・・・


・・・・・もうこうなったら最終手段よ!!


私は皆に気づかれないように、さりげなくケータイをポケットに入れる。

「ねえ皆。私、ちょっとトイレ行ってくるね?」

目を潤ませて、上目遣いで、自分こんな声出せるんだなってくらい甘い声。

「この俺を待たせるなんて、お前だけだぜ?」
「ええで。何分でも待ってやる」
「美月先輩!帰ってきたら俺の隣座ってくださいね!!」
「美月~、一緒にデザート食べようねー!」
「美月。お前何食べんだよ!一緒に頼んどいてやるよ」

ふっ・・・!ちょろいな。

そこで何時間でも好きなだけ待っててください。

私は鞄をさりげなく手に持ち、トイレへ向った。





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