私とテニスとあいつらと

その時、ファミレスのドアが勢いよく開いた。

「美月ィィィ！！！！」
「あ、蘭」
「げっ・・・！」
「何で松谷がここにいるんだよ！」

蘭は私たちを見つけたらしく、こっちへ向って走ってきた。

「美月、大丈夫？！！あいつらに何もされてない？」
「う、うん。てか蘭、ちょ「あんたら！何私の美月を連れまわしてんのよ！！」
「俺の勝手だろーが。さっさと美月をよこせ」
「嫌に決まってんだろーが！誰がお前に愛しのハニーを渡すか！！」


・・・・明らかに人選ミスじゃんこれ。


モデル並みのスタイルを持った美少女と、そこら辺のホストよりもカッコいい（友達論）美男子は、周りが見えていないようで、どつきあいの大喧嘩を始めてしまった。

しかも周りには二人を止める事の出来る勇気をもった人はいない。

店がより一層ドン引きの嵐に巻き込まれてしまった事は、私と他人のフリをしている三人以外は気づいていない。
というよりは気づかない。

「ってゆーか何で美月にマネージャーやらせてんのよ！」
「うるせえ！テメーには関係ねーだろーが！！口出しすんな！」
「んだとゴルァ！ぶっ殺す！！」

そして、蘭と幸田の喧嘩はどつきあいの喧嘩から殴り合いの喧嘩になってしまった。



あぁ・・・私、明日からこの道歩けないな。



恥ずかしさがより一層増し、半泣き状態で何とか立っている私は、こうなったら最終手段！と思い亮に助けを求めようと亮の方を見てみると、さっき言い争いをしていたバカ三人組と芥川とでメニューを見て「俺、これ食いてーな」などと言っていた。