私とテニスとあいつらと

計画

「パパ、ママ。おはよう」

私は朝の日課で、学校へ行く前にベッドの横に置いてあるお父さんとお母さんの写真に挨拶をすることにしている。別に死んでないけど。

両親が海外へ行って、もう二週間がたった。

「私は元気にしてるよ。・・・・今はギリギリだけど」

両親が大好きだった私は、最初は一人が寂しくて、寝る時に無意識で涙を流した日があった。
ここにのこる事は、私が決めたんだけど・・・

けど今は、クラスの皆や蘭がいてくれるのでそれなりに元気にやってます。

・・・・あ、嘘。本音を言うと心身共にズタボロです。

「あ、もうこんな時間だ。それじゃあ、いってきます!」

そう言って私は家を出た。








「おはよー!」

私が教室に入ると、クラスのほぼ全員が一斉にこっちを見てきた。

「美月、ちょっとここに座りなさい」
「は、はぁ・・・・」

なんだと思いその場で固まっていると、友人の一人が私の席を指差した。

「美月、正直に答えなさい」
「は、い・・・」

スイマセン。正直周りの子が怖くて、そんな気分になれません。

「あの男子テニス部のマネージャーになったってホント?」
「うん、まあ・・」

私がそう答えた瞬間、水を打ったように静まり返っていた教室がざわつき始めた。え、なに?

「美月!どうしたらテニス部のマネージャーになれたの?!!」
「ひい!!」

机をバーン!と思い切り叩き、勢いよく立ち上がった目の前の友人は、興奮しすぎて前のめりになっている。正直怖い。ホント怖い。冗談抜きで怖い。

「ひい!じゃなくて!!どうしたらマネージャーになれるの?!」
「え、と・・・それはですねー・・・・・」

幸田に靴を当てると、強制的にマネージャーになれますなんて今この時点で言えるわけが無い。言ってしまったらここにいる幸田ファンから一生敵視されるに違いないだろう。
















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