私とテニスとあいつらと
私は、裕樹に渡されたプリントを見た。

『~男子テニス部レギュラーとマネージャーの修学旅行計画~』

プリントの題名を見た瞬間、ビリビリに破り捨てたい衝動に駆られる。が、幸い珍しく朝早く目が覚めたので、カルシウム入りの食パンを朝食で食べた私は、何とかその衝動を押える事が出来た。

そして私は、気を取り直し再びそのプリントに目を落とした。




「・・・・なんだこれ・・」

プリントを全て見終わった私は、あまりの内容に呆然とする事しかできなかった。このプリントを横から覗いていた蘭は、ものすごい勢いで教室を飛び出してどこかへ行ってしまった。

そのプリントの内容は


1.今回の修学旅行の班は、男子テニス部のレギュラー全員とマネージャーでつくらなくてはならない。
2.行動班も宿泊班も1でつくった班でなければならない。
3.・・・・
4.・・・


と、まあこんな感じの内容が20個くらいあった。早く言えば、修学旅行の班は私とレギュラー達8人という、もの凄く濃い連中でつくらなくてはならないということだ。

「ちょっと待て!これどーゆうことよ!!!」

私は裕樹の胸倉をガッシリつかんでブンブンと前後に激しく振った。

「おまっ・・!ちょ、やめろ!落ち着けって!俺にもさっぱりわかんねーんだよ!!」
「わかんない訳ないでしょーが!あんたレギュラーでしょ?!何とかしなさいよ!」
「はぁ?意味わかんね・・・ちょ、ホントまじ落ち着けって!!」

この状況はさすがにヤバイと思ったのか、周りにいた人たちが止めに入った。
そして裕樹は「俺、もう自分のクラス帰るわ・・・」と言ってふらふらしながら教室を出て行った。

「み、美月・・・」
「なに・・・?」

私がはぁはぁ言いながら声をかけてきた友人を見ると、もの凄くキラキラした目で私を見つめていた。しかもよく見ると、目がキラキラしているのはその子だけじゃない。

周りにいる女子全てが私をキラキラして目で見つめていた。

「え?な「美月いいなぁ~!!!」
「は?!え、ちょ・・!」
「美月ってば、やっぱオイシイポジジョンにいるのね!」
「私と交換して~!!!!」


・・・皆いい加減目を覚ましてください。

そしてこれが悪い夢なら早く覚めて!!



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