私とテニスとあいつらと
しかし、こんな状況になっても時間は過ぎるもの。
まだ問題が解決していないにもかかわらず、レギュラー陣は部活動開始時刻になったのでコートへ入ってしまった。
しかし私は、練習に人一倍力が入っているレギュラー陣のコートに入り「あんなの嫌だ!絶対認めないからね!」とコートの真ん中で地団駄踏んで練習を妨害した。

練習を妨害されて苛立ちを隠せない柳原が「それ以上ここに突っ立ってたら、その顔にスマッシュぶつけるぞ」と言ってたのも思いっきりシカトして、その場でわーわー嘘泣きをした。


だけど、そんなもの凄い目で睨まれたらホントに泣きそうだよ柳原・・・・・


その普通じゃありえない状況をドン引きしながら見つめる他のテニス部員とファンの子達。
今この現場を見ている人たちから見たら、私はきっととてつもなく痛い子なんだろうな。視線が痛いや。

いろんな意味で本気で泣きそうになっている私を幸田は睨みながら近寄ってきた。そして私の手を引いて部室へ向かって歩き出した。

部室に着き、何かと思いながらぼけっとその場に立っていると、幸田はどこから持ち出したのか、手にはガムテープとロープを持っていた。

「え、何それ」
「何それじゃねぇ!!!」

幸田はそう叫ぶと私の口をガムテープで塞ぎ、すばやく私の体をロープでぐるぐる巻いた。

「んー!んんー!!」
「練習の邪魔すんじゃねぇ!そこでおとなしく横たわってろ!!」

幸田はそう吐き捨てると、私を一人部室に置いてコートへ戻ってしまった。









それから数時間後、部活が終わったらしく皆が部室へ戻ってきた。
やっとこの格好から抜け出せると思っていた私は大馬鹿者。


なんと口にガムテープを貼られロープでぐるぐる縛られたまま2時間のお説教。


皆に言いたい事を散々言われ、悔しくて言い返したいのに、口にガムテープを貼られている私は黙ってその言葉を聞いている事しか出来なかった。

しかも私があれだけ体を張って頑張ったのに、修学旅行については何も変更無し。

私がグッタリしていると、芥川と翼はげらっげら笑いながら私のこの情けない姿をケータイのカメラでばしばし撮っていた。



あぁ・・・・・もうどうにでもなれ。
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