私とテニスとあいつらと
「ちょっと!!」

私が部室へ駆けつけた時には、幸田と蘭は部室にはいなかった。そのかわり部室にいたのは裕樹と連の二人だけ。

「やっと来た!」
「遅ぇ!早く止めに行けよ!!」

二人はものすごく切羽詰まった声で私に幸田と蘭のタイマンと止めるように言ってきた。

「ちょ・・!ちょっと待って!他の皆は?」
「あぁ・・・あいつらならおもしろそうとか言って二人の後付いて行ったぜ」

なんでも、柳原と芥川は「おもしろそうだから」と言って二人の後について行き、亮と裕太は二人に便乗して付いて行ったらしい。

「なんで止めないのよ!」
「わ、わりぃ・・・」
「それより美月!お前早く二人止めに行くぞ!!」
「あ、うん!」

そして私たちは急いで二人のいる場所へ向かった。











「いけ幸田~!」
「あぁ!松谷強ぇ!!」

二人がタイマンをはっているだろう場所へ行くと、なぜかそこは体育館。

「・・・・何よこれ」
「・・・・さぁ?」

タイマンと聞いていたから、取っ組み合いをして喧嘩しているのかと思ったら、なぜか二人の手には剣道で使う竹刀。

「おっ、美月~!」

私がうまくこの状況を飲み込めずにその二人を見ていると、亮が私に気づいたらしく、私の名前を呼びながら手を振ってこっちに走ってきた。

「・・・・あれ、何やってんの?」
「なんか、タイマンはるって言ってたんだけど、最終的には竹刀で何でもアリな喧嘩?」

・・・・・竹刀で何でもアリな喧嘩って意味わかんねーよ。

竹刀って、剣道で使うものなんじゃないの?私が隣で呆然としている連にそう訪ねると

「俺もそう思うぜ・・・」

と、返ってきた。


あぁ、もう馬鹿ばっかりだこの部活!!!
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