私とテニスとあいつらと
ドタバタ修学旅行
今日は修学旅行当日。
ルンルン気分の私の隣には上機嫌な蘭。そしてその隣にはどんよりとしたオーラを背に背負っているレギュラー一同の姿が。

「美月!今日はたくさん楽しみましょうね!!」
「うん!もちろんさ!」

私、今日が楽しみで昨日は全然眠れなかったんだよね!

「・・・・俺たち、無事に修学旅行終わらせられんのかな?」
「さぁ、どうやろな・・・」
「俺はヤバイことに巻き込まれんのは嫌だからな」

陰でレギュラー達がそんな話をしているとも知らず、私と蘭はこれからの修学旅行のことで大ハシャギ。

「おーいお前ら!バスに乗れー」
「「はーい!」」
「連、お前達も早く乗れよ!」
「おー」

私と蘭は、同じクラスの子達が乗っているバスに乗ろうとバスの方へ急いでいくと、なぜか幸田に

「おい、お前らはそっちじゃねーぞ」

と注意されてしまった。

「へ?だって、皆こっちに乗ってるよ?」
「あいつらはこっちのバスかもしれないが、俺たちは違うんだよ」

そう言うと幸田は「来い、こっちだ」と言って今私たちが向いている方向とは逆方向へ歩いていってしまった。
何だ?!と思いつつも、私と蘭は幸田の後を追った。










「・・・・・・」
「美月どうしたの?」

この学校が金持ち校だとは聞いてたし、レギュラーの何人かがお坊ちゃんだってことも噂には聞いていた。
けどさ、たかが中学生の修学旅行で、しかもレギュラー8人+私と蘭の2人の計10人しか乗らないのにこの無駄に豪華なバスは何なんでしょうか?

「おっ、美月達やっと来たし~!」
「おい!おっせぇぞ!早く乗れよー!!」

私の目の前にはフカフカな椅子に踏ん反り返り、手にお菓子を持って優雅にくつろいでいる亮と連の姿。

・・・・私、こんなバスに乗るなんて一生ないと思ってた。しかも中学校の修学旅行で。

「おい、何そんなとこにボケッと突っ立ってんだ。さっさと乗れ」

バスの入口で唖然として立っていた私は、幸田の声で何とか気を取り戻す事ができた。

「さ、美月。乗りましょう?」
「そ、そうだね」

私は蘭に背中を押され、何とかこの無駄に豪華なバスに足を踏み入れることができたのであった。
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