私とテニスとあいつらと
「あーあ、すんげえ暇なんだけど」

バスに揺られて数時間。連のこの一言を心から呪ってやりたくなりました。

最初のうちは各自修学旅行の話で盛り上がったり、お菓子を食べたりしてギャーギャー騒いでいた。しかし時間が経つにつれ、やることが無くなってくるのかそれぞれ「暇」と言う単語を次々口に出し始める。

「俺も暇~、なんか皆でゲームでもしねぇ?」
「おっ!いいねぇ、賛成ー」

ちょうど私も暇だったので、賛成!と言いながら手を挙げた。すると柳原がたくさんの割り箸を鞄の中から出し、何かを書き込み渡してきた。

「王様ゲーム、なんてどうだ?」




・・・・え、王様ゲームってアレだよね。

「3番が好きな人を言う!」「えー?!恥ずかしいよ~!」とか言ってきゃあきゃあ盛り上がるアレ。


それを変態を含んだこの濃い連中とやれというのか。



無理だよ絶対無理。



ちょっと待て!と私が手を挙げるより早く、皆さんはもうくじを引いちゃってるわけで。
あとは私が引くだけの状態。もう私に選択権は無いようですよ皆さん。

「はぁ・・・・」

覚悟を決めた私は、その最後の一本に手を伸ばした。

「おっし、美月引いたな!」
「んじゃー行くぜ?!王様だーれだ!!」


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