私とテニスとあいつらと
「俺だな」

次にくじを引いたのは柳原。
柳原はきっと芥川みたいなマニアな命令はしないだろうから安心だけど。

「じゃあ5番、ハリーポッターの本を今出てるシリーズ全て読んで感想文書いてこいよ」
「げ!俺じゃん!!俺本読むの嫌いなんだよ~!」

柳原のビックリな命令を聞く事になったのは、マンガ以外の本を読むのが嫌いな亮。
さっきのことをよほど根に持っていたのか、裕樹が亮を指さしてゲラゲラ笑っている。

「まぁまぁ、そう落ち込むなって!さ、次行くぞー」

いつの間にくじを集めたのか、また連がくじを持っていた。

「あー・・・もう最悪」
「さっき人事だと思って笑ってるからそーなるんだよ」

肩をがっくり落としながらくじを引く亮はちょっぴり見てて可哀想。

「おい、お前らも早く引けよー」
「あー、はいはい。ほら、幸田あんたもだよ」

隣でなぜか勝ち誇ったような笑みを浮かべて亮を見ていた幸田の手をとり、くじを握らせた。

「よっし、じゃあいくよ?王様だーれだ!!」

「・・俺だ」










・・・・・・こう来ましたか。



くじを引いたとき、前の方で運転手さんが「もうすぐ着きますよ」と言っていたので、これが最後の王様ゲームだ!ってなって盛り上がってたのに・・・・

今日の私のくじ運は最高に悪いと思う。朝の占いも11位だったもん。


「じゃあお前ら全員、修学旅行から帰ってきたらグラウンド50周な」



あ。やっぱり運悪いや、今日の私。
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