私とテニスとあいつらと
「はぁ?!ぜってー無理!」
「そうよ!無理だからね!!」

身を乗り出して私と亮が「無理」の一言を連呼しているにもかかわらず、幸田は無駄に長い手足を組み、尊大に踏ん反り返り

「王様の命令は絶対だろ?いいから走れ」

の一点張り。





わー・・・・・幸田様ステキーくたばれー。



「おい、降りるぞ」

目の前の幸田をぶん殴ってやろうかと思ったとき、ちょうどホテルに着いたらしい。
私は運転手さんにお礼を言ってバスから降り、ホテルへ向かった。






のはいいんだけど。



今ものすごく周りからピンク視線を浴びてます。


私じゃなくて、私の周りにいる奴等が。

皆さんうっかり忘れていると思いますが、今私の周りにいるこいつ等は黙っていればもんのすごく綺麗な人達なんです。

幸田達レギュラーなんて黙ってればホストと間違われるくらいのイケメンだし、蘭なんてもう人形に間違われるくらいの美貌を持ってるし。

その証拠に、私たちの周りにいるホテルの従業員達は皆こっちをガン見。女の従業員はレギュラーを、男の従業員は蘭をものすごくキラキラした目で見てる。

どうして私はこんなに普通なんだろう。どうしてこんなに差があるんだろう。
きっと神様は私が嫌いなんだ。

・・・・あれ?なんか自分で言ってて悲しくなってきた。


見られていることに気がついたのか、幸田達は口元に笑みを浮かべていた。しかし蘭はそんなことどうでもいいのか「疲れた」、「しんどい」を連発。
蘭のその言葉を聞き取った男の従業員は「お荷物お持ちいたします、部屋はこちらになります」と言って蘭の荷物を持ちスタスタ先に歩いていってしまい、蘭はその男の人の後をだらだらと歩いて着いて行った。
そのやり取りを見ていた女の従業員も同じように「お荷物お持ちいたします」と言って幸田達の荷物を持ち部屋に向かって歩いていってしまい、幸田達はそのあとをぞろぞろとついて行った。



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