私とテニスとあいつらと
・・・・・すいません。もしかして部屋間違えました?

夕飯の支度が出来たからと言われて大広間に来た私たちの目の前には超豪華なバイキング。
それはもう、どっかの国のセレブが開く誕生会みたいな?もしくはどっかの国の大きい社交界みたいな?


とにかくテレビドラマでしか見られないと思っていたような光景が、今目の前に広がっているんです。


「・・・・私たち、部屋間違ってない?ホントにここ?」

私は隣にいる芥川に問い掛けた。

「何ゆうてん?ここであっとるよ」
「え、嘘。だって普通、修学旅行でこんなの出なくない?」

目の前に広がるありえない景色にもう私は軽くパニック状態。

「これくらい別に普通やん、なぁ?」

芥川は隣にいた蘭に話を振った。

「まぁね、どこもこんなかんじでしょ」

・・・忘れてた。こいつら生粋のお坊ちゃま、お嬢様だったんだ。

「美月、早く食べましょ?」

一般庶民と金持ちとの差があまりにも凄すぎて固まっていると、お腹を空かせた蘭が私の手を引っ張り、バイキングの方へ歩いていく。
普段の私ならここで「おいしそーう!!」なんて盛り上がってるんだろうけど。


さすがの私もこの空気の中ではしゃぐなんて柳原に蹴りを入れるくらい勇気のいることは出来ません。


こういう所のご飯はノドに詰まりそうになるけど、今食べておかなきゃ明日の朝までご飯らしいご飯を食べる事が出来ない。そんなのは絶対無理だ。
悩んで悩みまくった末、私の出た答えは


『もうどうせだから思いっきり食べちゃおうぜ☆ブルジョワなんてへでもねぇ!』


・・・・そうよ私!こんなものを食べられる機会はもう一生無いかもしれない。だからここは思う存分食べよう!


そう決めた私は、覚悟を決めてブルジョワの中に入っていった。
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