私とテニスとあいつらと

最悪な出会い

pipipipi・・・・
セットしておいた目覚ましがなる。

「はぁ~・・・ねむ」

眠たい目をこすり、なんとか起きた私は目覚ましを止めて時間を見た。そしてその瞬間私の目がバッチリ覚めた。

「でぇっ!は、8時15分?!」

私の通っている中学校は朝が早い。9時に始まる授業に備えて、8時半に校門が閉まり、それと同時に担任のSHRが始まる。なのでその前には自分の席についていなければならないのだ。
しかし、この学校に通うほとんどの人が金持ちで、学校への登下校は送り迎えが常識なので何か無い限りは遅刻とは縁の無い生活をしている。しかし、ただの一般庶民の私は今、遅刻というラスボス級の敵と戦っていた。





「どけええええ!!!!!」

なんとか支度の間に合った私は、人々の間を器用にすり抜けて学校までの道を全力疾走していた。家が近くて助かった・・・!

キーンコーンカーンコーン・・・
キーンコーンカーンコーン・・・

私の中では、“あと5分で校門が閉まる”という合図のチャイムが鳴ってしまった。

「ぎゃあ!もうチャイム鳴っちゃったよ!!チクショォォォ!」

もうこうなったらイチかバチかの賭けだ!校壁を飛び越えよう!美月、お前ならできる!!
私はチッっと舌打ちをして、校壁めがけて走った。そして校壁が目の前になったとき、前の学校で毎朝全速力して手に入れた脚の力を使い、校壁を飛び越えた。

「だりゃああああ!!」

私は全身を使い空を飛んだ。私は見事に校壁を飛び越えたのだった。

「っしゃあぁぁぁ!!!ナイス自分!」

私は両手でガッツポーズを取りながら、裏庭へと舞い降りた。
見事な時間との戦いだった。

ぐにょ。

着地した瞬間、何かやわらかい物を踏んだ事意外は。







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