わたしががんばっても。
『黙れ』
あんな低い声聞いたこと今まで一度もなかった。
「あっ、晴ー?告えたー??」
電話ごしに聞こえるのは、高校がはなれた紗江の声。
「…ううん。」
高校でバスケ部に入った紗江は塾をやめてしまった。
「えっ、何で!?まさか、彼女いたとか!?!?」
驚いた様子の紗江。
まだ…『彼女』の方がよかった。
でも、稜の『片想い』。
「おーい?晴だいー…「うるさいっ!!」
…え?
わたし、今なんて…?
「…にそれ。何ソレ!!こっちは心配してんじゃん!もういいっ!!」
ブツッ
紗江は怒って電話を切ってしまった。