わたしががんばっても。
わたしは同時に友達まで失った……。
あの後、紗江が電話をくれることも、電話に出てくれることもなくなった。
「わたしたちの友情はこんなものか……。」
高2になると、稜は木下さんとつき合いだした。
一気に稜のまとう雰囲気が優しくなった。
「じゃあもう塾始まるから。ははっ、大丈夫だよ。がんばる。…あぁじゃあまたな。」
電話先にいるのはきっとあの子。
ううん、絶対あの子。
わたしは、木下 麻琴 から稜を奪ってみせる。
晴香side* 終